Q24.口蓋裂の手術を受けても言語治療は必要ですか。

A24.

 口蓋裂の手術を行った子供さんの大部分は、特に言語治療を受けなくても正常な鼻咽腔閉鎖機能(口と鼻の間を閉じる機能)を獲得することができます。しかし、一部には開鼻声(話すとき、空気が鼻に漏れた声)を残す子供さんがいます。また、開鼻声はなくても歯列不正、歯列狭窄(歯のならびが悪いこと)に起因するとされる口蓋化構音(舌尖の位置が不正でサ行、タ行音などが歪むこと)の出現する子供さんもあるので、一応は、すべての子供さんが言語治療のチェックを受ける必要があります。
 また、歯がはえかわったり、矯正装置が入ったりして言語がすこしおかしくなったと思ったら、一度原因を言語治療士に調べてもらうとよいでしょう。
 私達の施設では、口蓋裂手術の入院中に当院の言語治療室に登録し、言語治療についてのオリエンテーションを行っています。
 実際に言語治療を必要とするかどうか、また、いつごろから言語治療を開始するかについては、個々の子供さんにより異なりますが、一般に三歳半ごろまでに言語治療の必要の有無がわかる場合が多いようです。
 手術を受けた病院に言語治療室がない場合は、他の施設の言語治療士に経過をみてもらうことになりますが、すべての言語治療士が口蓋裂の言語を専門としているわけではないので、担当医とよく相談し、居住地域に近い施設の紹介を受けるべきでしょう。また、私達の施設の言語治療室では、他の施設で手術を行った方の言語治療も行っており、居住地域によっては最寄りの施設を紹介しています。