Q58.口蓋裂の手術のあとに保護床を入れるのなぜですか。

A58.

 私達の施設では口蓋裂の手術のあと、口の中では、他の部位とちがい包帯やテープをあてて手術の傷を保護することができません。そこで、そのかわりに使用するのが保護床といわれる装置です。
 保護床の役目は、手術直後は創部からの出血の防止、また、創部の保護などがあります。さらに口蓋裂手術の1〜3ヵ月後くらいの間は、創が治る経過で瘢痕こう縮(創部が収縮すること)により、上顎狭窄がおきる(上顎が縮んでしまう)ことを防止する効果もあります。
 保護床は、このように大変有用な装置ですが、一つだけ注意をしなければいけないことがあります。それは、この装置をつけている間は、お父さん、お母さんが気をつけて口の中をきれいにしてあげないと虫歯をつくりやすいということです。手術には成功したけれど口の中は虫歯だらけということになったら大変です。物を食べさせたら必ず装置をはずし、歯と装置の清掃をして下さい。保護床は、通常手術後3ヵ月ぐらいまで使用します。