Q23.体重が少なくて口蓋裂の手術を受けるのが遅くなりそうです。将来、言語や学力に影響はないですか。

A23.

 私達の施設では、口蓋裂の手術は体重10キログラム、年齢一歳六力月を一つの目安としています。しかし、これはあくまで一応の目安で、患者一人一人の状態により大きく異なります。たとえば、二歳を過ぎても体重が10キログラムにならない場含、他に病気があり、その治療が優先して行われる場合など、さまざまです。いろいろな理由で手術が遅れると、お母さんはその後の言語や学力に与える影響を心配されるようですが、私達の経験では、手術が多少遅れても言葉の発達が多少遅れるだげで、小学校に入学する前には、ほとんどの子供さんは遅れをとり戻しています。

 ですから、手術の遅れが学力や言語に決定的な影響を与えるということはありません。しかし、なんらかの理由(粘膜下裂などで病気の発見が遅れたり)で口蓋裂の手術が小学、中学、場合によっては思春期まで行われなかった人の場含には、発音の習癖(くせ)がなかなかとれず、手術をしてもすぐには言語が改善されず、言語治療に時間を要することも事実です。