Q26.口蓋裂の手術を受けたのに食べ物が鼻からもれるのですが。

A26.

 ロ蓋(上あごの部分)が完全に閉鎖されている場合:手術で完全に披裂が閉鎖されていて、軟口蓋の動きもよいのに、手術後、鼻もれを生ずることがあります。これは、手術後、鼻咽腔閉鎖機能(口と鼻の間を閉じる機能)がまだ不十分で、食物摂取のときに鼻咽腔をうまく関鎖できないためにおきるのであって、これは、ほとんどの場合、軟口蓋の筋肉の動きがよくなるにつれ、しだいに改善されていくので、心配する必要はありません。
 ロ蓋部に孔が生じている場合:口蓋裂の手術は、鼻咽腔閉鎖機能を獲得することが最大の目的であり、このため、口蓄の粘膜、筋肉の大部分を侵方へ移動する手術が行われます。したがって、披裂の大きな場合には、組織下足による孔を前方に生じる場合があります。
 この孔が大さい場台、食物の鼻もれや、食物残渣の停滞による悪臭の原因となります。この孔は相当大きなものでも関鎖は可能なので心配はいりません。しがし、早期に閉鎖しても、矯正歯科治療で歯列の側方拡大を行うと、再度孔ができることもありうるので、鼻もれや発音上で問題があれば、まず閉鎖床を便用し、ある程度成長してから閉鎖手術を行ったほうがよいでしょう。