13.Q.口の中の拭き方はどうしたらよいですか。

A.癌研究会附属病院 歯科部長 高橋美彦

 歯磨きが十分にできない患者さんは口の中が非常に汚れていますので、うがい薬を浸した綿棒などを使用し、効率よくケアを行う必要があります。舌の表面に付着した苔は舌の奥から手前に向かってていねいに拭き取るようにします(写真1)。二三度繰り返しますが、強くこすらず、無理に取り除かないようにします。うわあご、頬の内側、舌の下などの粘膜も同様に円を描くようにていねいに拭いていきます。歯の汚れは歯を磨く順番と同じように、奥歯から前歯、反対側の奥歯へと一歯づつ円を描くように拭き取ります。この際歯ぐきも同時にマッサージするように拭くとよいでしょう。歯と歯ぐきの境目は汚れが残りやすいので、小さな綿棒でとくに丹念に汚れを取り除きます(写真2)。以上の処置を余裕があれば1日3回位行いたいものです。口の中が乾燥していると汚れが取りにくくなりますので、日頃からうがいを頻繁に行い、口の中を湿らせた状態にしておくことが大切です。

参考文献
口腔ケアQ&A「 口から始まるクオリテイ・オブ・ライフ」中央法規出版、1996.