14.Q.寝たきりのままで,口腔ケアを実施する方法を教えてください。

A.名古屋市厚生院附属病院 看護婦長 馬場常子

 一般的に口腔ケアの体位は、起坐位が望ましいのですが、病気や高齢のために寝たきりの方は、側臥位(顔を構に向けた姿勢)とします。方法は、できるかぎり歯ブラシを使用してください。処置用シーツかタオルで顎の下と肩を覆い、ガーグルベースンを顔の横に置き、衣類を汚さないように配慮してください。意識障害や嚥下障害がある方で、歯磨剤の使用が困難であれば、うがい薬を歯ブラシにつけて、静かにブラッシングしてください。歯ブラシが屈かない奥歯の裏側や頬粘膜の清拭は、綿棒にうがい薬を含ませて行います。歯がない場合は、うがい薬を含ませたガーゼや綿棒でマッサージすることも簡使な方法です。最後に、吸い呑みや注射器を用いて、うがい薬を少しずつ含ませ、うがいをくり返します。

 介護を受けている方の口腔内は、介護の鏡ともいわれています。家族や介護者の温かい心配りが口腔ケアには大切です。