3.Q.嚥下障害を改善してゆくためにはどうしたらよいか?

A.聖隷三方原病院リハビリテーション診療科 科長 藤島一郎

 嚥下障害に対してはリハビリテーション訓練が有効です。訓練法には
(1)食物を用いない基礎訓練(間接的訓練)と(2)食物を用いる摂食訓練(直接的訓練)とがあります。基礎訓練は安全に行えますがこれだけで食べられるようになるわけではありません。そこで実際に食物を食べる訓練=摂食訓練が行われるわけです。これは実践的で最も効果的である反面、誤嚥の危険と隣り合わせです。汁物や食物が時々むせるといった軽度の症状では,ゆっくり注意して食べる、むせやすい食物をさける等で対処できます。安全に食べ続けることが嚥下機能を維持し、改善させる最も有効な方法です。重症では手術が必要になることもあります。

文献:嚥下障害のリハビリテーションは実践でありビデオが役立つ。
藤島一郎 監修、藤島一郎、田中靖代、小林伸子、小島千枝子 指導「ビデオ こうすれば食べられる」嚥下困難者への新しいアプローチ。 中央法規出版、1994
:介護者向けでメカニズムから病態、実際の手技までを解説
藤島一郎監修「嚥下障害ビデオシリーズ (1)嚥下のビデオ内視鏡検査 (2)仮性球麻痺の訓練 (3)球麻痺患者の嚥下訓練 (4)嚥下障害における経管栄養法 (5)嚥下障害における肺理学療法 (6)嚥下食」医歯薬出版、1998
:最新の知識と技術が満載してある。安い価格(各巻3400円)で手に入れやすい。
向井美惠監修「小児の摂食機能療法」ジェムコ出版
:小児の摂食・嚥下障害における評価と訓練の集大成