6.Q.口腔軟膏、貼布剤にはどのようなものがありますか。

A.医療法人東札幌病院口腔外科 医長 平田章二
          薬剤科  科長 久原 幸

 一度口腔トラブルが生じてしまったら、どんなに良いとされている軟膏や貼布剤を使用しても、そう簡単には改善することはありません。そのため、抗がん剤や放射線治療、手術を行う場合などのように、口腔トラブルが予測されるような時は、その前に十分に口腔内診査を行い1)、口腔衛生指導、口腔内処置を行い、そして軟膏や貼布剤を予防的に用いることが、口腔軟膏、貼布剤の上手な使い方といえます(図1)

1.口腔軟膏、貼布剤の効果を最大限に引き出す塗布前口腔処置(局所の原因の除去)
・1)口腔衛生指導2)
・2)虫歯などの尖った歯牙の処置(図2)
・3)合っていない補綴物(金冠や義歯)の処置
2.口腔軟膏、貼布剤の効果を最大限に引き出す全身的原因の改善
3.口腔用剤
・1)病院や一般薬局で手に入る口腔用剤(表1)3)
・2)歯科口腔外科特有の口腔用剤
  @サージカルパック、止血シーネ(図3)A創保護シーネ(図4)
・3)自然のものを用いた口腔用剤、貼布剤
  @ごま油(熱処理したもの)A熊笹(図5)
・4)自然食品@緑黄色野菜(カロチン;にんじん、かぼちゃなど)
  Aウコン(ターメリック)BトマトC桃DすいかEしそFだいこん

参考文献
1)「口の中を診るー口の中の診察のしかたー」平田章二 JIM第6巻 第1号,865-868,1996.
2)「化学療法や放射線療法を受ける患者の看護におけるチームアプローチとしての歯科衛生士の役割」木村睦子、平田章二 北海道歯会誌第54号,81-83,1999.
3)「癌患者の口腔トラブル解消法」佐々木聖子、久原 幸 ナーシング・トウデイ35-50,1992-3.

※表1は後日掲載されます。