1.Q.在宅での口腔ケアは、家族や本人はどのような事に気をつければ良いですか。

A.大生親愛病院歯科 主任歯科衛生士 吉田芳子

 在宅での口腔ケアの場合、本人及び家庭介護者は、目的・重要性・継続する事の大切さを十分理解して行う必要があります。十分な口腔ケアが行われないと、むし歯、歯肉炎、舌苔、口臭などの発生、不潔な口腔からの誤飲物が原因の肺炎(嚥下性肺炎)、口腔カンジタ症が引き起こされます。これらの疾息が、経口摂取を妨げ、十分な栄養補給が出来ない事や、食べる事の楽しみを奪ってしまう事を十分理解し、継続して口腔ケアを行う事が肝要です。
 また、不適合な義歯、歯周病により抜けそうな歯、虫歯により破析の危険のある歯の誤嚥により重篤な状態に陥る事のないよう、異常の早期発見に留意し、介護者は、ホームドクター的役割を果たすのが必要になります。以上の事から口腔ケアは、本人の状態により、留意点、重点個所、方法が異なる為、普段から歯科医の検診を受け、適切なアドバイス、方法を受けておくとよいでしょう。