4.Q.どのような状態になったら、歯科受診するべきですか。

A.鹿児島大学歯学部口腔外科学第一講座 教授 杉原一正
                   助手 吉田雅司

 要介護者の口腔ケアは、口腔機能のリハビリテーションやQOLの向上といった目的の他に、口腔病変の早期発見と早期治療にも重要な役目を果たします。次に述べるような状態に気づいたら、歯科受診が必要です。
1.虫歯や歯周病で歯が痛い時。
2.入れ歯があわず痛くて物が食べられない時。
3.顔面を打撲して、口の中を切ったり、歯がぐらついたり、顎(あご)の骨が折れた時。
4.虫歯や歯周病からの感染や膿瘍ができた時。
5.口腔粘膜の異常(白斑、発赤、痛みなど)がなかなか治らない時。
6.口腔内のできもの(腫瘤)やただれ(潰瘍)に気づいた時。特に口腔癌(舌癌や歯肉癌など)の早期発見、早期治療がとても大切です。迷わず歯科を受診して下さい。
写真1は顎骨周囲炎、写真2は舌癌です。
 さらに、伊藤秀夫ら編「口腔病変診断」アトラス、第1版、医歯薬出版、東京、1998.等の参考書で詳しく知ることが出来ます。