3.Q.うがいのできない人のケアの方法はないですか。(口唇から喉頭までの機能減退のある方へのうがいのさせ方は・顔面麻痺の方へのうがいのさせ方は・痴呆の方へのうがいのさせ方は 注として)

A. 国立奈良病院附属看護学校 教育主事 関みつこ

 口腔ケアのなかで重要な位置を占めている「うがい」は、口唇、舌、頬、咽頭、喉頭、首を前後に傾ける筋肉や、これらを支配している神経のどこかに障害が起きると困難になります。うがいができない原因によって、口腔ケアの方法を変えておこないます。
 原因別の具体的な方法は、
 1.口唇から喉頭までの機能の減退のある方への口腔ケアは、障害の程度によって、体位を変えたり、市販の水歯磨きやうがい薬を、小さめ(学童用)の歯ブラシに浸して、ブラッシングしたり、綿棒や巻綿子による口腔内清拭や、注射器で一回量5〜10mlの水やうがい薬を少しずつ注入し、反対側の口角からその水を吸引し、洗口をおこないます。 
 2.顔面神経麻痺のある方へは、麻痺側の口唇を指でつまんで水漏れを防止して、ブクブクとうがいをおこないます。できない場合は1と同様にします。
 3.痴呆の方への口腔ケアは、尊敬し、人格を認めた態度で接し、個人のペースにあわせて、日課の中に口腔ケアを何度もとり入れて、口腔ケアを思いだしてもらいます。
 うがいができない場合も以上のような方法で、口腔ケアをおこないます。