6.Q.お年奇りにうがいをさせる時に、注意する事は、ありますか。

A.自治医科大学歯科口腔外科学講座 教授 赤坂庸子

 お年寄りにうがいをさせるときには、何のためにうがいをするのかをよく説明することが大切です。その目的によって、頭の位置や姿勢および方法が違うからです。喉の炎症ためのうがいは顔を上に向けてガラガラとしますが、薬を飲み込んだり気管に吸い込んだりしやすいのでうがい薬は少なめに口に入れます。食後に食べかすを洗い出す場合は、顔をやや下に向け、口の中でうがい薬を勢いよくブクブクして吐き出します。口内炎を治すときは、うがい薬を口の中で1〜2分軽くブクブクしながらできるだけうがい薬を長く患部に触れさせ、しばらくしたら吐き出させ、2〜3回繰り返します。お年寄りは、誤飲しやすいので飲むと有害な薬は避け、また、原液を本人が薄めて使用するのではなく、介護者が1回分を適切な濃度にして渡した方が安全です。さらに、誤飲していないか見守ることも必要です。足がふらつくお年寄りは椅子に腰かけて行い、寝たきりの場合でも、できれば座らせて行います。起きられない場合は横向きに寝かせます。体は上向きで、顔だけ無理に横にすると首がねじれ、むせたり、せき込みやすいので注意。なお、まひがある場合は、吐き出すことも困難ですので、吸引器で吸引してあげましょう。