1.Q.義歯にはどのようなものがありますか。

A.愛知学院大学歯学部歯科補綴学第三講座 教授  伊藤裕
                    助教授 荒木章純

 義歯の種類は大きく分けて2種類あります。全ての歯が無くなってしまった場合に入れる義歯を「全部床義歯」または「総義歯」といいます。歯が残っている場合すなわち、歯が1本抜けてしまった場合からl本のみ歯が残っている場合まで、様々な歯の抜け方がありますが、そのような場合に入れる義歯を「部分床義歯」といいます。全部床義歯の構造は比較的単純で、人工の歯の部分と歯肉に相当する部分から構成されています。このため義歯の維持には歯肉部分の適合が重要となります。部分床義歯の場合は、その構成は複雑で、歯肉部分で安定させる義歯から、残った歯によって義歯を安定させる義歯があります。そのために様々な維持装置(バネ)が義歯に付着してあります。その維持装置を通常は「クラスプ」と呼ぴます。歯肉部分の材質はレジン(プラスティックの一種)で作られますが外から見えない部分には薄く作ることのできる金属を使用した義歯もあります。