2.Q.義歯の取り外しのコツを教えて下さい。

A.名古屋市立大学医学部附属病院歯科口腔外科 部長 横井基夫

 取り外しのできる義歯には部分床義歯と全部床義歯の2種類があります。部分床義歯は、歯が部分的に失われたあごに装着する義歯で、残っている歯に義歯を固定し維持するための細い金具(クラスプ)が付いています。全部床義歯は、歯を全て失ったあごに入れる義歯で”総入れ歯”ともいわれクラスプはありません。
 @クラスプ付き義歯の取り外し方のコツ。
上あごの義歯は、人差し指の爪をクラスプに掛け、親指をその歯の上に置き、着脱方向に人差し指を引き下げます(図1)
 下あごの義歯は、親指の爪をクラスプに掛け、人差し指をその歯の上に置き、着脱方向に沿って親指を引き上げます。それぞれのクラスプに対して均等に力を入れると外しやすくなります(図2)。義歯によってはクラスプに力を加えない方が良いタイプもありますので歯科医に確認して下さい。また小さな義歯の着脱時には下を向いて行い、誤って口の中に落ちても飲み込まないよう充分に注意して下さい。
 A総入れ歯の取り外し方のコツ
 上あごは、義歯をしっかりつかみ後ろを下にさげると外れます(図3)。下あごは、義歯の端を引き上げれば簡単に外すことができます。いずれも具合の悪い場合には無理せず歯科医に相談して下さい。

図1.上顎のクラスプ付き義歯の外し方
図2.下顎のクラスプ付き義歯の外し方
図3.総入れ歯の外し方