Q.咽頭反射の障害のある患者の口腔ケア

A.東京女子医科大学看護短期大学基礎看護学講座 教授 大森武子

 咽頭反射は、舌根部、咽頭後壁、口蓋扁桃部を舌圧子などで刺激すると嘔気を引き起こす反射であって表在反射の一種とされています。咽頭反射障害の原因は、舌咽神経麻痺、迷走神経麻痺、球麻痺などであり、高齢者や脳血管障害、神経疾患などに見られ、咳嗽困難や誤嚥、嚥下性肺炎を引き起こすことになります。
 口腔ケアに際しては、誤嚥してもむせることが伴わないことがあるので、呼吸困難の有無を確認しながら行うようにします。上体を起こし、頭部をやや前傾した誤嚥の少ない体位で、または側臥位で顔を横に向け十分ブラッシングしたあと、口腔内の清拭をするか洗浄器などで洗い流しながら吸引を行うようにします。口控ケア中、唾液は飲み込ま在いように注意し、流出物はカーグルベースで受け取るようにします。