Q.抗痙攣剤服用患者の口腔ケア

A.東京女子医科大学看護短期大学基礎看護学講座 教授 大森武子

 様々な原因によって出現する痙攣を中枢性に抑制する薬物を抗痙攣剤といいます。ここでは抗てんかん剤を含めて薬剤と口腔ケアの影響について述べます。抗痙攣剤、抗てんかん剤(フェノバルビタール、テグテトール、アレビアチン、ヒダントールなど)の副作用として歯肉増殖、口内炎、口内乾燥など口腔内をはじめ嘔気・嘔吐、食欲不振、発熟、頭痛などが起こって来ます。
 アレビアチン、ヒダントールなどは痙攣抑制効果の高い薬剤でありますが、長期服用により歯肉増殖が起こってきよす。歯と歯肉の間に歯間嚢が形成され歯垢がたまりやすくなり、口腔内細菌によって二次感染を引き起こし、歯肉炎や歯肉が潰瘍化し、歯肉出血をきたします。
口腔ケアの必要性を理解し、口腔の清潔に心がけ、歯垢を取り除き、歯肉マッサージの励行が大切となります。使用する歯ブラシはヘッドが小さく軟らかめの物を使います。歯と歯肉の境目を丁寧に清掃し、歯肉マッサージを毎回実施することが大切となります。