4.Q.舌を常時出し入れし、緊張すると更に強くなる方

A.大生信愛病院歯科 医長 永長周一郎 

 口をもぐもぐさせ、舌を捻転させたり突き出したりするなどの反復性で常同的な不髄意運動を「オーラルディスキネジア」(写真l)といいます。原因別の分類として抗パ−キンソン薬(l-dopa)の投与により起こる薬物性デイスキネジア、向精神薬の長期投与により起こる遅発生ディスキネジアと、高齢者にみられる原因不明の特発性ディスキネジアなどに分けられます。注意点としては、舌の突出運動で義歯や歯の尖った部分に接触することにより、舌に傷を創り易いことと、舌ばかりでなぐ顎全体の運助のため、義歯による口腔粘膜の濃瘍を生じ易いことです。そこで、舌の動きこ逆らわずに力を入れずに口腔ケアを行うことと、ディスキネジアが顕著で顎まで動く時は、一時的に義歯をはずしてあげることも必要です。しかし義歯をはずしたままにし遇ぎると、不随意運動により顎関節脱臼(写真2)を生じてしまうこともあるので注意して下さい。