6.Q.リウマチで手指が変形している患者の口腔ケア

A.若草第二竜間病院歯科 糸田昌隆

 慢性関節リウマチとは、全身性結合組織疾患の一種で、多発性関節炎のほか、全身症状
を呈する疾患である。女性に発症することが多く、診断の際の主症状として、朝のこわばり、3ヶ所以上の関節炎、手関節炎、対称性関節炎、X線変化、リウマトイド 、血清リウマトイド因子の7項目のうち、4項目以上が診られる場合である(米国リウマチ学会診断基準)。
慢性関節リウマチの患者さんの口腔ケアを行う場合、一番の問題点は、手指の関節部に運動制限(関節可動域制限)、手指関節変形がみられることが多いため、通常の歯ブラシなどでは、自身による清掃が困難なことが多いため、ブラッシングのための補助具、中でも関節可動域制限を補うための、柄の長い握持具(リ−チャ−)を用いることが多く、有効である。また、義歯を装着している患者さんでは自身で着脱出来ないこともあり、介助者による義歯着脱と、患者さん自身によるブラッシングの磨き残しのチェックと清掃も大事である。

参考文献
1)酒井信明 植松宏編「障害者の歯科医療」医学情報社,東京,1998
2)山田和克監修「病気の地図帳」講談社,東京,1992