7.Q.痴呆のある方

A.大生信愛病院歯科 医長 永長周一郎

 痴呆の人は、最も口腔ケアのサービスを提供されるべき対象でしようが、一方で継続した口腔ケア提供するのが難しい対象かもしれません。また、痴呆の方の人権を考えると、そのサービスの提供には、常に「保護」と「管理」の両面に気を使う必要があります。つまり、強制的な口腔ケアは最も避けなければなりません。そのためには、l)日常の介護の中に無理のない範囲で取り込む、2)朝の歯磨き運動(写真1)など生括習噴として位置付ける、3)個人のペースにあわせて行い常に自立支援(写真2)を考えるなどが、挙げられます。また認知障害が強い場合、具体的には脱感作の応用で簡単なことから慣らしていく方法があります。まず、食後のお茶を飲ませることから始め、うがいができるようであれば、うがいをさせます。次に、義歯がある場含はばずしてもらい、綿球、綿棒などを水や薬液で湿らせ、口唇、口腔内と清拭を進め、歯磨きまでもっていくようにします。