8.Q.意識障害があり、口腔ケア用品を入れると噛んでしまう方

A.青柳歯科医院 青柳公夫

 まずはじめに、口の中をきれいにしますとか、歯を磨きますと声かけを行います。つぎに歯ブラシで歯の外側を磨きます。歯の噛み合うところと内側、さらに舌も、声かけをして口を開けている間に手早く磨くようにします。それでも噛みつかれる場合は、粘膜を傷付けないように注意して、開口器(写真1)バイトブロック(写真2)を使用します。歯ブラシは、口の中で動きやすいようにヘッドが小さくネックの細いもの、歯肉に当たっても痛くないやわらかい毛先のものを使用します。歯磨き剤は使用しません。歯肉や頬の粘膜、上顎の汚れはスボンジブラシや巻綿子(割りばしに綿を巻きつけたものでよい)でぬぐうようにしてとります。うがいができないことが多いので、イソジンガーグル液を浸した巻綿子や手袋をした上でガーゼを巻いた指で口の中をまんべんなくぬぐいます。できれば、ぬるめのお湯や薄く溶いたうがい液を用いて、洗浄、吸引を繰り返すとよいでしょう。

万能開口器 バイトブロック
参考文献
1)鈴木俊夫監修「口腔ケア実践マニユアル」日総研出版、1994
2)施設口腔保健研究会、日本口腔疾患研究所監修「口腔ケアQ&A 口から始まるクオリティ・オブ・ライフ」中央法規出版、1996
3)牛山京子「在宅訪問時における口腔ケアの実際」医歯薬出版、1998
4)藤島一郎「口から食べる嚥下障害Q&A」中央法規出版、1995