4.Q口角ビランのある場合の口腔ケアと予防法は。

A.長崎大学歯学部附属病院 看護部長 川浪タツエ

 口内炎、口角ビランは炎症であり腫張、灼熱、発赤、疼痛、機能障害の主徴候がある。援助者はこのような症状を考慮し、苦痛を最小限にして口腔ケアを行い、口腔内を清潔に保つことによって症状の軽減と対象者の爽快感を得る。
 口腔ケアは清拭、うがい、洗浄、水圧による洗浄、ブラッシング等の方法がある。最も効果的な方法はブラッシングである。しかし、ブラッシングが十分出来ない時は他の方法と組み合わせて行う。水圧による洗浄は避ける。
 ブラッシングの具体的な方法としては
 1.小さなブラシを使う。
 2.歯磨き剤はしみるので使用しない。
 3.口角ビランがある場合は口腔ケアの前後に薬を塗布する。
 4.口内炎が広範囲の場合は歯牙だけを磨き、
  炎症のある歯肉部には歯ブラシを当てない。
 5.口腔ケア最後のうがいは体温程度の微温湯を使う。
 6.口腔ケアが終了後薬剤のうがい、塗布を行う。

参考文献
1) 成田令博著「口腔症状と全身疾患」医師薬出版
2) 岡本清纓著「新口腔衛生学-個人口腔衛生-」医師薬出版
3) 押鐘篤編集「歯科ハンドブック理論編」文京書院
4) 国立大学歯学部看護部長会議編集「歯科看護ハンドブック」医学書院