Q2. 抜歯後、出血してきたら

 抜歯後出血してきたら、出血してきた血液を吐き出したり、気持ちが悪いからとうがいを繰り力返すとなかなか止血しません。乾燥した清潔なガーゼを三十分間強く咬み込んで下さい(咬含ガーゼ)。
 三十分たってもガーゼが血液で強く汚染されるようでしたら、ガーゼを新しいものに替え、もう三十分繰り返して下さい。このガーゼによる圧追止血が家庭でできる最も有効な止血処理です。脱脂綿やティッシュペーパーでは十分傷口を圧迫できないことがあります。
 このように確実な圧迫止血をつづけても、すぐ口の中が血液でいっぱいになってしまうほど出血の量が多い場合には、担当医に連絡して指示を受けて下さい。来院するように指示があった場合、来院するまでガーゼを咬んだ状態をつづけて下さい。またガーゼを捨てずに持参し、担当医に診せると担当医が出血量の推定をするうえで参考になります。担当医はこれを参考にして、補液などの処置が必要かどうかを判断します。
 親知らずが深い位置にあったもので、抜歯後の腫れを少しでも少なくするためラバードレンなどを傷口に挿入して血液や洪吐液が組織内に貯留するのを防ぐ処置がしてある場合、このラバードレンにそって少しずつ口の中に血液や滲出液が出てきます。このような場合、あまり神経質になって咬合ガーゼを咬んでいると傷の入り口のところだけ圧迫してとじてしまうので、かえって組織内に血液が貯留して翌日に腫れが大きくなるということになりかねません。ドレンを挿入していますと担当医から説明があったならば、それは腫れを少なくするための処置で、その日は多少口の中に出血があるかもしれないと考えておかれるとよいでしょう。