全身疾患をもっている方で抜歯後も全身管理を必要とする方、親知らずが骨の奥深くにあり、全身麻酔を必要とする方などは入院したほうがよいでしょう。最近では米国・西吹などでは、「親知らずの抜歯」を少しでも楽に行うため、局所麻酔以外の麻酔法を併用し、入院して抜歯をする人が多くなっています。入院すれば何本かの親知らずを同時に抜歯することも可能です。通常一週間程度入院して四本の親知らずをすべて抜歯しても、保険の本人で一割負担であれば二〜三万円程度の費用ですみます。
外来で一本ずつ抜くと、抜歯の苦痛のため途中で来院しなくなり、他の親知らずをそのまま抜かずに放っておいて、下顎智歯周囲炎などになってしまうという例が多くあります。また幾度にも分けて抜歯を行うと、毎回縫含、洗浄、抜糸処置を行うため通院期間は数か月問にわたり、来院回数は十数回にもなってしまうこともあります。交通費などを考えるとかえって入院して集中治療を受けたほうが安心なうえに、経済的ということになります。