文部科学省研究費補助金基盤研究B


3)システムの実施

プログラムのシステムについて検証するため、上記の基準に合致する28名を対象として分析を行った。対象は孤発症例が24例、多発症例が4例であった。出産まで至ったものが4例あり、また妊娠中は4例である。
 分析対象者における食事からの葉酸摂取量は、平均0.352mg/日で、最高0.814mg/日、最低0.180mg/日であった。0.4mg/日を達成できた者は25%であった。葉酸摂取量が0.4mg以上の群はカルシウム(735mg)、ビタミンC(156mg)、ビタミンB6(1.43mg)、ビタミンB12(9.8mg)などの微量成分についても栄養所要量を上回っており、栄養摂取バランスが良好となる改善がみられた。また、葉酸と各種栄養素摂取量、料理摂取頻度、食生活状況項目との相関関係では、葉酸摂取量が多くなるほど、鉄(r=0.759)、カリウム(r=0.906)、ビタミンC(r=0.791)、食物繊維(r=0.803)、マグネシウム(r=0.886)、ビタミンB6(r=0.713)、などの栄養成分の摂取量が多くなり、料理摂取頻度得点(主要料理8項目の評価得点 r=0.533)や食生活状況得点(食習慣、運動習慣、休養習慣17項目の評価得点 r=0.428)、も良好となる傾向が認められた。したがって、葉酸摂取量の改善は、各種栄養成分、料理摂取パターン、食生活状況にも影響していることが示唆される。
 また、アルコールをほぼ毎日摂取していた参加者が、ほとんど飲まないまでに改善された例や、運動量の少なかった参加者が、軽度の運動を習慣にするようになった例もみられた。