(4)予防効果の検証について
本プログラムにおいて、予防効果を検討するために、参加者群と本症発生率について比較検討するための対照群を設定する必要があるが、我々が推奨している母体環境改善は、現時点で最も良い方法であると考えており、これに対する対照群を設けることは倫理的に問題がある。そこで、過去の資料や家系調査を実施し、予防の試みを行わない場合の発生率の参考値とすることにしている。
本症は、性別、裂型別によって発生率が異なることから、このような分類に基づいて検証していく。
今後、参加者数を増やすことで、これらが可能になると考える。
また海外における本症再発予防に関する調査として、先述のように、Tolarovaらによるチェコスロバキアにおける臨床調査が実施されており、10mgの葉酸と総合ビタミンのサプリメントの服用群で、65.4%の再発の減少が認められている。この予防効果は、葉酸によるものか、他のビタミンによるものか、それらの相互作用によるものかについては不明であるが、これらの服用の潜在的な効果を示すものとしている。
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